光のもとでⅠ
 それでもふたりはあまりいい顔はせず、教室に入るのを渋っていた。
 私は鎌田くんに謝りたくて、ほかの四人には先にクラスへ入ってもらい、鎌田くんひとりだけを廊下に引き止めた。
「何度もごめんね」
 鎌田くんは緩く首を振って、「ううん」と言ってくれる。
「御園生、すごくいい友達がこの学校にいるみたいで、なんだか安心した」
「うん……一年遅れたけど、この学校に来られて良かった」
「俺も。……少しがんばって海新に行って良かったと思ってる。うちの中学っていうか、幸倉近辺ってなんか全体的に少し歪んだところがあったから……。そういうところには行きたくなかったんだよね」
 鎌田くんも……?
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