光のもとでⅠ
「幼少の頃から体が弱い子にはありがちなケースよ。ある程度の年になれば、自分にかかる医療費だって気になり始めるし、、あの子の場合は人の手を借りないとできなことも多々あったでしょうから、どうしても申し訳なさが先に立つのね。逆に、ちやほや扱われてワガママ放題になる子もいるけれど、どちらにせよコミュニケーション能力は低いわ」
湊ちゃんの説明に、
「それ、治らないの?」
司が訊くと、
「病気じゃないからね。ほとんど性格の一部として構成されているもの。そういうのは人付き合いを重ねてリハビリをするしかないのよ。薬でどうできるものではないし、人間関係は築くものだから。ただ、翠葉は素直な子だから環境しだいではどうとでも転べる気がする。ま、十七歳までこの性格できてるんだから、二、三ヶ月で変化が出るものでもないわよ」
湊ちゃんの話しに栞ちゃんが、「そうね」と言葉を引き継いだ。
「あとは周りの人間の接し方しだいじゃないかしら。あの子、わからないことはわからないってちゃんと口にするし訊いてもくる。そこで教えるべきことは教えなくちゃいけないと思うの。問題なく学校へ通っていれば得られる知識ですら欠けていたり、御園生家でしか通用しないことが常識の大半だから……。人と少しずれているのはそのせいね」
「もうなんというか……申し訳ないです」
と、蒼樹が居たたまれない状態になる。
湊ちゃんの説明に、
「それ、治らないの?」
司が訊くと、
「病気じゃないからね。ほとんど性格の一部として構成されているもの。そういうのは人付き合いを重ねてリハビリをするしかないのよ。薬でどうできるものではないし、人間関係は築くものだから。ただ、翠葉は素直な子だから環境しだいではどうとでも転べる気がする。ま、十七歳までこの性格できてるんだから、二、三ヶ月で変化が出るものでもないわよ」
湊ちゃんの話しに栞ちゃんが、「そうね」と言葉を引き継いだ。
「あとは周りの人間の接し方しだいじゃないかしら。あの子、わからないことはわからないってちゃんと口にするし訊いてもくる。そこで教えるべきことは教えなくちゃいけないと思うの。問題なく学校へ通っていれば得られる知識ですら欠けていたり、御園生家でしか通用しないことが常識の大半だから……。人と少しずれているのはそのせいね」
「もうなんというか……申し訳ないです」
と、蒼樹が居たたまれない状態になる。