光のもとでⅠ
「そいつに勘違いされるのは困るから、だからこの手を取らない?」
 え――?
「そのほうが手を取らない理由としてはしっくりくるな」
 と、出された手を下げようとした。
「やっ――」
 思わず、ツカサの手を両手で掴む。
「……何、本当になんなわけ?」
「……なんでもない。ツカサが、ツカサが困らないのなら、手、つなぎたい……」
「そのほうがいいと思う。校庭まで距離があるし、ランタンの光をきれいに演出するために、あまり外灯をつけてないから。ランタンに気を取られて足元の注意が疎かになる翠は何かに掴まっていたほうが安全」
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