光のもとでⅠ
「次、翠の番」
 佐野くんに注意されたから、なるべく悟られないように気をつけながら言葉を選んだ。
「んと……すごく、優しい。いつでも優しい。その人がいるとほっとする。ドキドキするのにほっとするの。……変だよね」
「別に変だとは思わないけど……」
 どんな顔をして口にしてくれたのかが気になって、恐る恐るツカサの顔を見てみた。
 すると、なんだかとても複雑そうな顔をしたツカサがいた。
 けれど、次に口を開いたときにはいつもより優しい表情に変化する。
「俺も……それと一緒にいるときは素の自分になれる気がする」
 心の底から羨ましいと思う。
 ツカサにこんな優しい顔をしてもらえる人が。
 その人の前では、その優しい顔で笑顔になるのだろうか。
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