光のもとでⅠ
 座っているコンクリートはとても冷たいのに、マントの中で吸い込む空気はほわりとあたたかい。
 マントの中は、周りのものから隔絶されたような錯覚を起こさせた。
 けれど、ツカサの声だけはダイレクトに聞こえてくる。
「十数える。だから、その間に泣き止め」
「……十じゃ足りない」
 小さく答えた声はきっと聞こえなかっただろう。
 なのに、ツカサはそんな声もきちんと拾ってくれていた。
「繰り返し数えてやるって言っただろ。壊れるたびにリカバリーしてやるって……。保障期間は俺が死ぬまで半永久的。忘れたとは言わせない」
 忘れてない。忘れてないよ。
 ただ、本当にそれでいいのかな、って思ってしまっただけ――。
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