光のもとでⅠ
 たぶん――百パーセント間違いなくっ、暗闇でも生えるブルーの衣装を隠すためにマントの中へ入れてくれたのだろう。
 でも、私の心臓は理由など関係なく駆け足を始める
 向かい合わせじゃない。
 でも、ツカサの胸に自分の背がぴたりとくっついていて、さらには身ひとつになるように抱きしめられているとか、いったいなんの拷問だろう。
 こんなにくっついていたら心臓の鼓動まで伝わってしまいそうで気が気じゃなかった。
 今となっては早足で息が上がっているのか、ツカサの腕の中にいるから息が上がっているのかもわからない。
 ツカサは――ツカサは好きな人が相手じゃないからこんなことを普通にできるのだろう。
 でも、私は違うんだからっ――。
< 6,096 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop