光のもとでⅠ
 話の続きを訊きたかったのに、急に両耳を押さえられ、全くといっていいほど、その人たちの声は聞こえなくなってしまった。
 逆に、自分の鼓動がうるさく聞こえて仕方ない。
 ツカサの手が外されたときにはその人たちはいなくなっていた。
 ちょっと残念……というよりは、ものすごく残念。
 けど、それを口にするより先に、座りたいと言いたかった。
「ツカサ……少しでいいの、座って休んでもいい?」
 訊くのと同時くらいに血の気が下がった。
 瞬時に身体を支えられ、「悪い」と謝られる。
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