光のもとでⅠ
「ツカサは悪くないよ。ただ、少し疲れているだけなの」
「いや、俺が速く歩きすぎた」
 ツカサは私を支えたまま、ゆっくりと木の根元に腰を下ろした。
 ハナミズキの葉は見事に色づき、赤い実がコロンとしていてとてもかわいい。
 今日はハロウィンだけど、少しだけクリスマスっぽくも見える。
 赤くて丸い実はクリスマスツリーのオーナメントを彷彿とさせるのだ。
 木の周りにはさつきの垣根があり、座ってしまうと周りからは見えないように思えた。
 オレンジの柔らかな光がゆらゆらゆらゆら――。
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