光のもとでⅠ

53

 私は森の中を歩いていた。
 小道はほんの少し人の手が加えられた程度で、足元には木の根がでこぼことしている。
 ここは――ブライトネスパレスの森林?
 場所の特定はできたけれど、自分がパレスへ向かって歩いているのかステラハウスへ向かって歩いているのかはわからない。
 でも、歩みを止めてはいけない気がしてやみくもに歩いていた。
 足元に注意を払おうとするも、自分は明かりといえるものを手にしてはいない。
 ただ、小道の先に見える小さな光を目がけて歩いていた。
 足を交互に、ただひたすらに踏み出す。
 すると、ふっ、と地面が消えた。
 やっ、落ちるっっっ!? ツカサ――。
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