光のもとでⅠ
 でもでも――ちゃんと「恋愛対象の意味の好意」と言われた。
 それは、私の想う「好き」と種類が同じということ?
「翠葉? 翠葉、どこ?」
 嵐子先輩が小さな声で私を探していた。
 ゆっくりと立ち上がるとすぐに発見してくれる。
「わ、翠葉どうしたっ!?」
「え……?」
「何泣いてるのっ!? 具合悪いっ!?」
 泣いて……?
「あ――だから、目の前がぼやけて見えるんですね?」
「……ホント、大丈夫?」
 私はポケットから手ぬぐいを取り出し、すぐに涙を拭き取った。
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