光のもとでⅠ
『翠葉、無理なら動かないで。一度動くと、誘導の都合上立ち止まれなくなるの』
「そういうことなんだ」
 嵐子先輩がポリポリと頭を掻く。
『翠葉ちゃん、大丈夫。六時半まで逃げ切れば司と翠葉ちゃんの勝ちだから。あと十分』
 追加でルールを教えてくれたのは朝陽先輩。
「しっ」
 嵐子先輩に引っ張られて再度しゃがみこむ。
 そして、上からすっぽりとマントをかけられた。
「こっちに生徒会メンバー来たって話だったけっど、くっそ、どこだよっ!」
「でも、特教棟の方で藤宮目撃されてんだろ? あいつに限って姫を置いていくとかないだろうし、やっぱあっちなんじゃね?」
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