光のもとでⅠ
「無駄足かよ~……。おまえ、そういうことはもっと早くに言えよなっ!」
 そんな声と共に足音が去っていく。
「いやー……イベントに熱が入る学校は鬼ごっこも必死だよね?」
 嵐子先輩の言葉に笑みが漏れた。
「でも、みんなとても楽しそうです」
「そうだね、私も楽しい。こういうのって画策してる側はホントにむっちゃ楽しい!」
 嵐子先輩はにこりと笑った。
「嵐子先輩、もう大丈夫です。動けます」
「よし、行こうっ!」
 何も外だけにルートがあるわけではない、と少し戻って一、二年棟の校舎に入った。
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