光のもとでⅠ
「残念?」
「いえ……残念というよりは納得したというか……」
「そっか。電話してみたら?」
「あ――」
 携帯取り替えたまま……。
 さすがに今日は返さないといけない気がする。
 紅葉祭が終わればツカサは実家へ帰るようになるだろうし……。
 ただの携帯――そうは思うのに、昨日から携帯がただの携帯に思えなくて、どうにも次の行動には移せそうになかった。
「翠葉ちゃんっ! B組はうちのクラスと合同だよー!」
 ポケットの中にある携帯を握りしめ悩んでいると、美乃里ちゃんに声をかけられた。
 カラオケボックスにも広さが色々とあるみたいで、うちのクラスはA組合同らしい。
 どうやら、うちのクラスの分をまとめて美乃里ちゃんが予約を取ってくれたことからそうなったのだとか。
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