光のもとでⅠ
「俺はさ、蒼樹みたいに上手に説明することができなくて、すごくイラついてたんだ。翠葉ちゃんが不安になっているのはわかっていたのに……。声をかけることもできないくらいにね。……だから、ごめん」
 すると、彼女は慌てて否定しだす。
「あのっ、それは秋斗さん悪くなくて、私が無知なだけで――」
 本当に、こういう子なんだ……。
「翠葉ちゃん、俺はそういう部分も含めて君を好きになったんだよ。……翠葉ちゃん、ちゃんと聞いてて?」
 前置きをすれば彼女はかまえる。
 でも、今からとびっきりの告白をするから、そのくらい構えててくれるくらいでちょうどいい。
「俺は……体が起こせなくなるほど体調の悪い翠葉ちゃんも鈍感な翠葉ちゃんも、美味しい料理を作ってくれる翠葉ちゃんも、アンダンテのタルトが好きな翠葉ちゃんも、森林浴が好きな翠葉ちゃんも、カメラを持つと時間を忘れちゃう翠葉ちゃんも、俺の言葉に一挙一動してくれる翠葉ちゃんも、どんな翠葉ちゃんも好きなんだ」
 あぁ、固まってる固まってる……。でもね、まだあるんだ。
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