光のもとでⅠ
 どうせ夢なんだから、少しくらいいい思いをしてもいいんじゃないか、と思う。
 セリにキスするのなんて三年ぶり。
 生身じゃなくてもいい。
 夢でこんな生々しい感触を得られるのなら、キスの先まで望みたくなる。
 なぁ、セリ……。
 もっと頻繁に夢に出てこいよ。
 この手にセリを抱きしめたい。
 その細い腕に抱きしめられたい。
 もっともっと――。
「唯兄、私、翠葉だよ。朝だから起きよう?」
 何、今の声……。
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