光のもとでⅠ
 そこにはまだ「心配」って顔をしたリィがいた。
 大丈夫だから。
 そう思いをこめて笑顔を向けると、リィの表情が緩む。
 そう、大丈夫だよ。大丈夫なんだ。
 セリやホントの親がいなくても、今はリィやあんちゃん、碧さんと零樹さんがいる。
 セリに求めるものは未だなくなりはしないけど、それがすべてではなくなった。
「今」を一緒に生きてくれる家族を得たから。
「今」を一緒に闘う仲間を得たから。
 たださ、夢でいいから――時々でいいからセリに会いたいんだ。
 それだけ……。
「でーもっ、今日のはやばいだろ……。おい、セリ……おまえもうちょっと頻繁に出てこいよな。危うくリィを襲うとこだったじゃんか」
 リィには俺の起こし方を伝授せねばならんだろう。
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