光のもとでⅠ
 けど、司の言葉を呑み込めるほど自分の現状を素直に認めることもできない。
「……何言ってんの? 誰がナーバス? 全然そんなことないし。いーよ、俺がタイミング見計らって言うから」
 笑みを添えてみたものの、
「無理しなくていいけど?」
 心の奥底まで見透かすような視線を向けられた。
「別に無理してないしっ」
 俺、何言ってるんだろ……。
 これじゃ、肯定してるのと変わらない。
 居たたまれなくなり、俺は司に背を向け先を歩く翠葉たちを追った。
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