光のもとでⅠ
 藤宮の人間が異性に対して、「付き合うイコール結婚」という考えに至るのには、こういうことが理由にあがるのかもしれない。
 さらに、「敵」は外部の人間とは限らない。
 身内内での足の引っ張り合いはそこら中でやっている。
 年に一度開催される藤の会に子どもの頃から出ていれば、嫌でも目にする。
 身内でより上位にいる人間に媚び諂う人間や、こき下ろそうとしている人間。
 失脚させるさせない、そんなことは日常的に行われている。
 もっというなら、将来企業のトップに立ちそうな人間は命を脅かされることもある。
 だから、会長職や企業のトップに立つ人間の血縁者にはボディーガードがつくし、自分の身を自分で守れるように護身術の類を習わされる。
< 6,191 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop