光のもとでⅠ
 あれは次期会長候補である静さんへ対してのプレッシャーだった。
 そして、校内で犯行に及べたのは藤宮警備に内通者がいたから。
 もっとも、身内が主犯だった場合に「内通者」という言葉が使えるのは疑問だけど……。
 あのあと、藤宮警備のトップは辞任し、内部監査を徹底したうえで組織編成をし、今に至る。
 当時よりも警備の質は上がっているし、厳しい内部監査は常に作動している。
 そんな一族の中で、俺は交友関係が広いほうだと思う。
 それでも、藤宮の人間に変わりはない。
 広くても、それが深いものかと問われたら、答えは否。
「分け隔てなく」という部類だと思う。
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