光のもとでⅠ

05~08 Side Kaito 02話

 これを逃がしたら最後――。
「翠葉、ちょっといい?」
「え?」
 翠葉は手を止め俺を見た。
 話せるタイミングも場所もここしかない。
「みんな悪い。数分でいいからバックヤード使わせて」
 みんなの返事を聞く前に翠葉の手を掴みバックヤードへ連れていった。
 連れていく、というよりは引き摺っていたかもしれない。
 バックヤードにいた人間も外に出し、翠葉とふたりきりになるとひどく緊張している自分に気づく。
 やば――。
「海斗くん……?」
 きょとんとした顔が俺を見上げる。
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