光のもとでⅠ
 ここから俺と翠は別行動になる。
 学年が違うのだから当たり前のことだ。
「海斗」
 仕方なく海斗を呼び止める。
 一手段として、海斗に伝えてもらうという方法もある。
 一番気にしている海斗に振ることがどれほど酷なことなのかはわかっていた。
 それでも、この先、翠に直接話すことができるのは海斗しかいない。
「佐野にインカム使い方を教えるとき、翠のフォローも頼む」
「え?」
「使い方に不安があるみたいだから」
「わかった」
「それと、秋兄たちが対応できないものがひとつだけある」
 これだけで気づくだろう。
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