光のもとでⅠ
「……何言ってんの? 誰がナーバス? 全然そんなことないし。いーよ、俺がタイミング見計らって言うから」
 このバカが……。
 何年の付き合いだと思っているんだ。
 そんな笑みを向けられたところでごまかせると思うな。
「無理しなくていいけど?」
「別に無理してないしっ」
 海斗は正真正銘のバカだ。
 こういうところは翠と同じ。
 バカ正直で、痛々しいほどに真っ直ぐな人間。
 翠たちを追いかける海斗の背を見て呟く。
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