光のもとでⅠ
「今回の、別に秋兄だけの落ち度じゃないから。こんなの、俺や海斗だって気づけなくちゃいけないことだった。それから、姉さんも兄さんも、みんなが気づいてしかるべきことだった。今まで何もなかったから良かったようなものの、何かあったら連帯責任だ。俺たちは今まで、こういう事態になるような人間関係を築いてきていない。それが裏目に出たまで」
 俺は秋兄が何を言う前に通話を切った。

 ホームルームが終わり、紅葉祭スタートまで数分。
 海斗からの連絡はまだない。
 まだ話していないのか、話している最中なのか――。
 時計を見つつ、スタートまで三十秒を切った時点で海斗に通信を入れた。
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