光のもとでⅠ
「翠の大丈夫は――」
『ツカサ、ちょっと待って。私、最近は信用を下げるようなことをした覚えはないんだけどっ!?』
「そういえば、ここのところはないな」
 条件反射で物事を口にした自分もおかしければ、階下でむきになっている翠を想像することもできて笑みが漏れた。
「海斗、助かった」
『いや、なんつーかごめん。と、ありがと』
「は?」
 何に対して謝られたのか不明だし、礼を言われる状況でもない。
『いや、こっちの話。気にすんな。じゃーな!』
 通話は一方的に切られた。
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