光のもとでⅠ
「本当に元気のおよろしいことで。見ているこちらも清々しくなります」
「俺は蔵元の言動に陰鬱な気分になるんだけど」
「それは、ご自分の気質的な問題では?」
 蔵元はしれっとした顔で答えては、食べ終わったプレート類を片付ける作業に入った。
 俺はリビングテーブルでノートパソコンを開き、彼女のバイタルを見ていた。
 その一方、耳に装着したインカムからは学園警備からの報告が逐一上がってきている。
 今年は海斗と司、湊ちゃんが学園にいるということもあり、例年よりも警備体制が厳重になっている。
 現会長の孫が三人。自分を入れれば四人。
 誰が狙われても不思議はない。
 だから、どんな些細なことであってもすべて漏らさず自分まで情報を上げるように、と持ち場ごとの責任者に通達してあった。
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