光のもとでⅠ
「やってる。あと二分」
「余計なことを考えなければあと一分でできますね」
 ごもっとも……。
「唯を呼びます。私もチェックしますが、私より綻びを見つけるのは唯のほうが長けていますから」
 若槻に連絡を入れた直後には新しい配置が出来上がり、蔵元がそのチェックに入った。
 数分後、若槻と一緒に現れたのは静さん。
「自分がいたらないばかりにすみません」
 頭を下げると、悠然とした声が部屋に響く。
「ミスはミスだが、秋斗だけのミスでもないだろう? それに、秋斗たちが気づかなかったところで私が彼女に害が及ぶような事態を見過ごすと思ったのか?」
 え……?
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