光のもとでⅠ
「何度言ったらわかるんですか? 私は翠葉じゃないのだから、悪いムシくらい自分で撃退できます」
どこか恨めしそうに見てくる桃華に「違うよ」と訂正を入れる。
「悪いムシがつくつかないじゃないんだ。そこは疑ってないと思う。そうじゃなくてさ、俺が自分の彼女っていうことを人に見せしめたいだけ。自己満足っていうのかな? どう? 俺の彼女かわいいでしょ? って。たぶん、自分の欲求を満たしたいだけ」
「……なんです? それ」
「……俺たちは年が離れてるから、同じ学校で同じ行事を楽しむってことはまずできないよね? でも、今日なら? 一緒に廊下を歩いて同じものを見て楽しむことができると思わない?」
どこか恨めしそうに見てくる桃華に「違うよ」と訂正を入れる。
「悪いムシがつくつかないじゃないんだ。そこは疑ってないと思う。そうじゃなくてさ、俺が自分の彼女っていうことを人に見せしめたいだけ。自己満足っていうのかな? どう? 俺の彼女かわいいでしょ? って。たぶん、自分の欲求を満たしたいだけ」
「……なんです? それ」
「……俺たちは年が離れてるから、同じ学校で同じ行事を楽しむってことはまずできないよね? でも、今日なら? 一緒に廊下を歩いて同じものを見て楽しむことができると思わない?」