光のもとでⅠ
「つまり、蒼樹さんの言うところの悪いムシが寄ってきたとして、私は自分で退治できますけど、翠葉には無理でしょう? そういうことじゃないですか?」
 それも何が違う気がする……。
 今はロング丈の制服に身を包む桃華をまじまじと見てしまう。
 たとえば、あの衣装ではなくこの制服だったとしても翠葉には不安を覚える。
 その一方、桃華にはそういったものを一切感じない。
「もっと簡単に言うなら、私には隙がなくて翠葉は隙だらけ。だから守ってあげたくなるのでしょう?」
 クスリと笑う桃華は俺よりも上手だった。
 桃華さん、惨敗です……。
 願わくば――。
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