光のもとでⅠ

12 Side Kaito 01話

 昼食を摂ったあと、しばらくして「トイレ」という理由で図書室を抜け出した。
 携帯を取り出し秋兄にかける。
 インカムでも話せるけど、俺と話している間は業務用の連絡もシャットアウトされてしまうため、秋兄への連絡は極力携帯にする。
『どうした?』
「仕事の依頼……」
『……こういうの初めてだな』
「そうだね……」
 俺は未だかつてこんな依頼をしたことはない。
 したくないからしなかった。
 でも、したくなくてもこれからは必要になる。
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