光のもとでⅠ
 それはもうガッチリと……。
 ひょっとしたら初対面かもしれないのに、胴体にしっかりと両腕を回してコアラ状態だ。
「ケンケン、ぐっじょぶ!」
「よせやいっ! 照れるじゃんかっ」
 ケンケンは佐野に抱きついた状態でもじもじと器用に照れて見せた。
「で? これ、どうすればいいの?」
「できれば、うちのクラスへ連行してもらえると助かります」
「へ?」
「いやぁ、なんだか海斗と佐野の所望率が半端ないらしくて」
「あ、そういうこと……」
 ケンケンは佐野の顔を見て、
「っつか、君逃げたい? お兄さんが逃がしてあげようか?」
「ちょっ、ケンケンっ!?」
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