光のもとでⅠ
「……んじゃ、これだけうちの姉ちゃんズに届けてくれない? 飲み物を所望されてですね、かわいそうな弟はただいま使いっパシリ中だったんですよ」
 佐野が手に持っていたレモンティーを投げてよこす。
「了解、頼まれた」
 ふたりを見送り圭介に電話する。
「今、ケンケンが佐野を配達してくれるから、あとは煮るなり焼くなり好きにして? たぶん、逃げはしないと思う」
『まじでっ!? 空太様様っ! 助かったーーー!』
「とりあえず、今日のうちに稼げるポイントは稼いでおくように、ってそのうち桃からお達しがあるんじゃん?」
『実は、すでに通達済み。これ、見なかったことにしていいかな? ついでに、簾条からのメール、着信拒否にしていいかな?』
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