光のもとでⅠ
佐野は階段を数段上ったところにいて、俺よりも少し高い位置にいた。
いつもなら、俺が見下ろす身長差なわけだけど、今は少し見下ろされているくらいが好ましい。
「あいつだけは譲れないや。――俺、取りに行ってもいい?」
佐野は何も言わない。
ほんの一瞬眉をひそめたあと、薄く笑みを浮かべた。
「ほら、戻れよ。初っ端から時間押してどーすんの?」
佐野に背中を押されて昇降機へ戻った。
「海斗、OK?」
朝陽先輩に訊かれ、晴れやかに返事をするとそれが合図となり、昇降機が上昇を始める。
ステージ上ではギターの軽快なリフが走り出す。
いつもなら、俺が見下ろす身長差なわけだけど、今は少し見下ろされているくらいが好ましい。
「あいつだけは譲れないや。――俺、取りに行ってもいい?」
佐野は何も言わない。
ほんの一瞬眉をひそめたあと、薄く笑みを浮かべた。
「ほら、戻れよ。初っ端から時間押してどーすんの?」
佐野に背中を押されて昇降機へ戻った。
「海斗、OK?」
朝陽先輩に訊かれ、晴れやかに返事をするとそれが合図となり、昇降機が上昇を始める。
ステージ上ではギターの軽快なリフが走り出す。