光のもとでⅠ
 ふたりがまとまったところで佐野くんが私を見てくれる保証なんてないのに。
 そんなことをずっと考えていたら黒い気持ちに塗りつぶされそうになるから、だから、自分の恋の応援だけをしてきた。
 みんなのことも応援したいけど、誰を応援しても誰かがつらくなる。
 それなら、いっそのこと自分だけを応援しようと、そう決めて今日まで来たよ。
 この恋においては、これからもそのスタンスを変えるつもりはない。
「……気持ちは嬉しい。ありがとう。でも――」
「うん、わかってる。あのね、私は飛鳥ちゃんを好きな佐野くんをずっと見てきて、それでも好きなんだよ」
 佐野くんだってわかるよね?
「……あぁ、そうか。そうだよな」
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