光のもとでⅠ
「……彼女と付き合っていた時期があります」
「その間にどこまで教育が済んでいるのかしら?」
「ほとんど何も……」
「あら、秋斗くんらしくないわね?」
 真顔で言われて少し困る。
 この人の言う、「俺らしい」とはいったいいくのときで止まっているのだろうか。
 ふと、苦い思い出が頭をよぎった。
「手をつなぐ、抱きしめる、キスをする――キスマークをつける。それ以上のことはしてませんよ」
「ふーん……つまらない」
 つまらないって――この先生なら言うか……。
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