光のもとでⅠ
 では、なぜ高等部に教員室があるかというならば、生徒間の交際において性交渉に及ぶ率が一気に上がるからだ。
 だから、彼女はあの教室の門戸を狭めることなく開いている。
 完全予約制ではあるが、相談する生徒はあとを絶たない。
 予約が取れないときにはメール相談という方法もある。
 それらすべてにきめ細やかな対応をすることで、彼女は生徒たちに慕われていた。
「で? お手柔らかに、の意図は?」
 笑みを深めて訊かれる。
「自分で教えたいから、とか?」
「あはは、できることならそうしたいですけど、それには時間がかかりそうだ。何がどういう状態にあったとしても、彼女がなっちゃん先生から学んだほうがいいことは確かです。俺は――怖がらせることしかできなかった」
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