光のもとでⅠ
「これ、秋斗くんでしょう?」
 見せられたデジカメのディスプレイには確かに俺が映っていた。
 先日寝た女と共に。
「それで……? それを材料に脅迫でもするつもりですか? あぁ……データがそれだけとは思いがたいですね。ほかにプリントアウトしたものとバックアップデータが取ってある?」
 別に慌てはしなかった。
 もみ消そうと思えばいくらでもやりようはある。
 それでも、学内の人間や教師にばれないよう、また親戚連中や面が割れている人間に知られないように藤倉からは適度に離れた場所で女漁りをしていた。
 呼び出され、こんな話をされたところで運が悪かったな、くらいにしか思わなかった。
「ちょっと、何言ってるの?」
 男子生徒が騒ぐだけのことはある。
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