光のもとでⅠ
 続けて、
「俺、藤宮姓の人間に初めて会ったわ」
 まるで、育ちを疑う、とでも言いたそうな訝しげな目を向けられる。
 俺は笑いが止まらなくなった。
「何笑ってるのよっ」
 女が噛み付く。
 そりゃ、笑いたくもなる。
 生まれてこのかた、子ども扱いをされたことなどほとんどない。
 そんな胡散臭そうな視線を向けられたことも、一度たりともない。
 幼い頃から財閥の後継者として育てられてきた。
 幼少の頃はそれなりに「子ども扱い」をされたこともあるが、自分に扱いきれないと思えば途端に手の平を返し、「媚び諂う」人間ばかりだった。
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