光のもとでⅠ
 この人の旦那は何度もそんな写真を撮っては奥さんに情報を提供し、その奥さんは飽きることなく俺に説教を繰り返した。
 素行関連で俺に説教をしたのは後にも先にもこの人しかいない。
 そういう意味では、本当に貴重な人物といえた。
 まぁ、当時の俺は「干渉されている」としか思っていなかったわけだけど……。
 静さんや真白さんが俺を気にするのとは全くの別物。
 この人が現れるまで、他人からこんなふうに心配され怒られることなど俺にはなかった。
 その代わり、湊ちゃんと栞ちゃんがうるさかったか……などと余計なことまで思い出す。
「秋斗くんに会って学んだわ。いえ、玉ちゃんで十分わかってるつもりではいたけれど、快楽を覚えた若者は手に負えないってね」
 ため息をもらしつつそんなことを言う。
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