光のもとでⅠ
「あのとき、秋斗くんは何を考えていたの?」
「そうですね……。とくには何も。一応ばれないようにはしていましたが、ばれてもかまわなかった。いっそのこと、なっちゃん先生が校長なり学園長に密告してくれたらどうなっていたか、って思います」
「そんなことしていたら、まずは停学でしょ? 二回目ともなれば退学。わかりきってるじゃない。そしたらおうちだって大変なことになっていたんじゃないの?」
 むしろ、それを望んでいたのかもしれない。
 将来を約束されるよりも自由を得たかった。
 勘当でもなんでもいい。
 どんな烙印を押されてもいいから、自由さえ得られるのならばそれで良かった気がする。
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