光のもとでⅠ
 身体の大きさでいうなら断然なっちゃん先生のほうが小さく子どもサイズだ。
 けれど、懐の深さはそこらの大人のはるか上を行くだろう。
 今ですら、俺を子ども扱いする傾向にあるのは、俺が子ども扱いをされた記憶がほとんどないと言ったからに違いない。
 とにかく、この人にかかると俺は子ども以外の何者でもなくなってしまう。
 俺がこの人の前で態度が変わる、とかそういう問題ではない。
 ただ、この人が徹底して俺をガキ扱いする。
 それは旦那の佳範さんにも同じことが言えた。
 ふたりとも、年は湊ちゃんたちの四つ上だったはずだ。
 そんなに年が離れているわけでもなく、むしろ海斗よりも年は近い。
 夫婦揃って会うことはほとんどなく、たいてい、ふらっと街に出たときに佳範さんと出くわす。
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