光のもとでⅠ
 それなりに仕事はこなしていたが、常に頭の片隅で翠のことを考えていた。
 何度も翠の携帯を見ながら。
 衣装に着替え、翠が奈落に戻ってきたのはすぐに気づいた。
 ずっと張り付いたまま剥がれない視線がひとつ。
 こんな不躾な見方をするのは翠くらいなもの。
 初めて会ったときも今も、そのあたりは何も変わらない。
 そう思って振り向いた先には、案の定翠がいた。
 暗がりの奈落では白いワンピースが異様に映える。
 蛍光色の白ではないのに、まるで光を受けて発光しているように見えた。
 ワンピースの次に目に飛び込んできたものが俺の脳を支配する。
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