光のもとでⅠ
それは、俺が夏に渡したとんぼ玉。
今日は見かけないと思っていたら、鎖骨と鎖骨の間にぶら下がっていた。
それ、反則だろ。どう考えても反則。
誰がなんと言おうと反則。
そうは思いつつも、それを間近で見たいと思う自分もいて、用事を思い出したように近づいた。
「嵐が翠からコサージュ受け取れって言ってたけど、それ?」
「あ、うん。これ……」
翠は手に持っていたコサージュをおずおずと差し出すものの、先ほどとは打って変わって俺を見ない。
「……なんで下向いたまま?」
「……それは訊かないでほしいかも?」
今日は見かけないと思っていたら、鎖骨と鎖骨の間にぶら下がっていた。
それ、反則だろ。どう考えても反則。
誰がなんと言おうと反則。
そうは思いつつも、それを間近で見たいと思う自分もいて、用事を思い出したように近づいた。
「嵐が翠からコサージュ受け取れって言ってたけど、それ?」
「あ、うん。これ……」
翠は手に持っていたコサージュをおずおずと差し出すものの、先ほどとは打って変わって俺を見ない。
「……なんで下向いたまま?」
「……それは訊かないでほしいかも?」