光のもとでⅠ
 翠、悪いな……。
 これだけ距離があっても話は筒抜けだ。
 でも、俺が余裕ぶっていられたのはここまでだった。
『これも、恋愛の歌ですか?』
『そうだね。今頃、意中の子のことでも思って歌っているんじゃないかな?』
 なんだよ、その会話……。
 そういう話は俺がいるところでしろよな。
『ツカサ、好きな人……いるんですね。……知らなかった』
 バカヤロウ……翠のことだ。
 呆れ半分大笑いしたいの半分。
 複雑すぎる心境に困り果てる。
 まぁ、こんなことにも慣れたけど……。
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