光のもとでⅠ
「そうだな……とりあえず、普通じゃない、かな? 明日は雪でも降るんじゃない?」
「だよなっ? あの司が女子と喋ってるなんてさ」
「しかも、一言二言ではなく断続的に……。奇跡としか言いようがない」
 ひとりの男が女の子と話をしながら歩いている。
 それ自体は取り立てて珍しい光景ではないだろう。
 この場合、相手の男が司であることが問題。
 司はそんなことをするような人間じゃないと周知されている。
 司は仕事が絡まない限り女の子に声をかけるなんてことはまずしない。
 さらには、無表情が崩れているところが奇妙としか言いようがなかった。
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