光のもとでⅠ
 続けて朝陽はこう言った。
「司はさ、翠葉ちゃんが弱い子だと思ってるんだ? だとしたら大間違いだと思うよ」
「俺は――」
「あの子はそんなに弱くない。俺は司ほど翠葉ちゃんを知っているわけじゃないけれど、客観的に見ているからこそ見えるものもあるよね」
 客観的……?
「茜先輩がほかの誰でもない彼女を選んだのだとしたら、茜先輩にとって彼女は希望なんじゃないの? それに、あの茜先輩がステージに穴を開けるなんてそれこそありえないでしょ。俺が信じるのは、今まで見てきた茜先輩と翠葉ちゃん。このふたりに俺は疑いを抱かない」
 思わず、朝陽の潔さに感服してしまった。
 でも、見てきたものだけを信じる、というそれには共感できる。
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