光のもとでⅠ
そこに人が向かっている、とそれだけが伝わればいい。
通信を再開させインカムから戻るよう催促することもできたが、そんなふうに話を中断させたくはなかった。
いや、ただ単に俺が迎えに行きたかっただけなのかもしれない。
早く翠の状態を――顔を見たくて。
離れている間、何度も携帯を見た。
数値に異常が出ないかどうか。
時折脈が速くなるものの、体温が少し下がる程度で際立った数値異常は見られず今に至る。
数メートル先にふたりがいる。
そう確信して声を発した。
通信を再開させインカムから戻るよう催促することもできたが、そんなふうに話を中断させたくはなかった。
いや、ただ単に俺が迎えに行きたかっただけなのかもしれない。
早く翠の状態を――顔を見たくて。
離れている間、何度も携帯を見た。
数値に異常が出ないかどうか。
時折脈が速くなるものの、体温が少し下がる程度で際立った数値異常は見られず今に至る。
数メートル先にふたりがいる。
そう確信して声を発した。