光のもとでⅠ
「軽音部がラストに入りました。あと三分くらいで終わります。しばらくは放送委員につなぐように通達してありますが、どのくらいで戻れますか?」
 待てて五分六分がいいところ。
「翠葉ちゃんは大丈夫?」
 茜先輩の声は少し掠れていた。
「司、五分きっかりで戻るから、翠葉ちゃんを連れて先に戻って」
「え……?」
 翠が戸惑いの声をあげると、
「私は目の腫れを引かせてメイクを少し直さなくちゃ」
 会話の内容とその声から泣いていたことがうかがえる。
 ……泣いた、のか? 茜先輩が?
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