光のもとでⅠ
「このあともステージは続く。考えごとなんてしてたらどこかで致命的なミスをするかもな」
「やっ、そんな怖いこと言わないでっ!? 本当にごめん、もう考えごとなんてしないから」
 両耳を塞ぐ翠の手を片方だけ外す。
 俺は翠が知りたい……。
「で、演奏中に何を考えていたわけ?」
「ツカサの好きな人?」
 きょとんとした顔で即答され唖然とする。
 しかし、次の瞬間には目の前の翠が俺以上に慌てだした。
「ツカっ、違う――や、あのっ、えっと……朝陽先輩が、じゃない、あれ? あってるっ!?」
 すでに言葉が色々とおかしいことになっていて、これだけ話しても何を言いたいのかサッパリわからない。
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