光のもとでⅠ
28 Side Soju 01話
環(たまき)と研究室で昼食を食べているときのこと――。
携帯が知らせる翠葉の脈拍が恐ろしく高い数値になっていた。
「蒼樹? 携帯見て何血相変えてるんだよ」
「い、いや……とくには別に……」
「あ、この間のかわいい子からお別れメールとか?」
かわいい子、とは簾条さんのことを指しているのだろう。
「違うし……。簾条さんはあくまでも妹のクラスメイトであって、それ以上でもそれ以下でもないよ」
「なんだ、それなら俺モーションかけようかな? あの子よく図書館利用してるんだよね」
「…………それはよしませんかね、環くん」
環が椅子を後ろへ傾け、絶妙なバランスでぶらぶらとしている。
「ふ~ん……やっぱり蒼樹はあの子が本命なわけだ」
にやり、と意味深な笑みを向けられた。
それ以前に、だ……。翠葉のこの数値はどう説明してくれようか……。
「だから、おまえさっきから何見てんのよ」
ひょい、と携帯のディスプレイを覗き込まれる。
「何それ……」
「……翠葉、妹のバイタル」
「……はぁ? なんでそんなものが表示されんの?」
「……妹、ちょっと体弱くてさ。秋斗先輩が作ってくれた装置なんだ」
「……先輩、相変らずあれこれ開発してるんだ? でも、率先してそういうのやる人じゃないでしょ?」
そうなんだ。だから問題っていうか、助かってるっていうか、心配っていうか――。
自分の心情ばらっばら……。誰かきれいにまとめてほしい。
携帯が知らせる翠葉の脈拍が恐ろしく高い数値になっていた。
「蒼樹? 携帯見て何血相変えてるんだよ」
「い、いや……とくには別に……」
「あ、この間のかわいい子からお別れメールとか?」
かわいい子、とは簾条さんのことを指しているのだろう。
「違うし……。簾条さんはあくまでも妹のクラスメイトであって、それ以上でもそれ以下でもないよ」
「なんだ、それなら俺モーションかけようかな? あの子よく図書館利用してるんだよね」
「…………それはよしませんかね、環くん」
環が椅子を後ろへ傾け、絶妙なバランスでぶらぶらとしている。
「ふ~ん……やっぱり蒼樹はあの子が本命なわけだ」
にやり、と意味深な笑みを向けられた。
それ以前に、だ……。翠葉のこの数値はどう説明してくれようか……。
「だから、おまえさっきから何見てんのよ」
ひょい、と携帯のディスプレイを覗き込まれる。
「何それ……」
「……翠葉、妹のバイタル」
「……はぁ? なんでそんなものが表示されんの?」
「……妹、ちょっと体弱くてさ。秋斗先輩が作ってくれた装置なんだ」
「……先輩、相変らずあれこれ開発してるんだ? でも、率先してそういうのやる人じゃないでしょ?」
そうなんだ。だから問題っていうか、助かってるっていうか、心配っていうか――。
自分の心情ばらっばら……。誰かきれいにまとめてほしい。