光のもとでⅠ
『それは、飲食物のほか、医師と寝具類も、でしょうか?』
「えぇ、布団以外も、です。ここはあくまでも通路で、決して人が寝るための場所ではないのですが、そこで休むとか言い出した、バカ、がいるので……」
 蔵元さんに話すというよりは、すぐそこにいる翠に嫌みを言っているようなものだった。
『かしこまりました。すぐにお持ちいたします』
 通信を切り、その場に座る。
「今、蔵元さんが軽食と飲み物、その他布団など――持ってきてくれるから座れば?」
 下から翠を見上げると、「本当にっ!?」といった顔をして、隣にぺたりと座り込んだ。
 翠は背中全体が壁につくように座り、身体全身に振動を感じているようだった。
 少しすると背を丸め、体育座りしている自分の膝を抱えるようにして目を閉じる。
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